網膜の治療

硝子体注射

硝子体注射加齢黄斑変性の原因となる脈絡膜新生血管の増殖を抑えるために行います。また、加齢黄斑変性だけではなく、網膜静脈閉塞症による黄斑浮腫や糖尿病網膜症による黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管の治療にも有効です。細い針で少量の抗VEGF薬を眼内に直接注射します。加齢黄斑変性の場合は、当初は月に1回の注射を継続して3回行います。その後、必要に応じて注射を追加します。

使用する薬剤

当院ではアイリーア、ルセンティス、ベオビュ、バビースモ、ラニビズマブBSという5種類の抗VEGF薬を使用しております。抗VEGF薬は新生血管の増殖を抑制する効果を持っています。
新生血管の増殖にはVEGF(血管内皮増殖因子)と呼ばれる物質が関わっています。このVEGFを阻害する薬剤を注射することで、VEGFによって引き起こされる疾患を改善させます。

 

硝子体注射の合併症

感染症

注射後の感染症を防ぐために、注射後は目を触らないでください。点眼がしみることがありますが、目を触らないように気を付けてください。視力低下や急激な痛みがある場合は、速やかにご連絡ください。

眼圧上昇

注射後、一時的に眼圧が高くなることがあります。

注意点

  • 注射をした当日は、安静にお過ごしください。

  • 多少の痛みやごろつきを感じる場合があります。

  • 涙や血液が滲んできたら、擦らずにティッシュペーパーで拭いてください。

  • 注射後に白目が赤くなっていることがありますが、問題ございません。

  • 洗顔や洗髪は、注射当日はお控えください。首から下のシャワー・入浴は可能です。

網膜光凝固術(レーザー)

網膜光凝固術(レーザー)は、散瞳薬を点眼して、瞳孔を開いてから行います。点眼後は少しまぶしくなります。網膜光凝固術(レーザー)を複数回行う必要がある場合、治療の間隔を2週間以上あけて行います。

糖尿病網膜症・網膜静脈閉塞症の場合

糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症では、レーザー治療を行うことで、新生血管の増殖を防ぎ、血液や血液の成分があふれ出てしまうことを防ぎます。
硝子体出血や増殖性網膜症等の合併症を予防する治療ですが、黄斑と呼ばれる“物”を見る上で欠かすことのできない部位の血流を保ち、将来的な視力の低下を防ぐことができるとされています。

網膜裂孔の場合

網膜裂孔とは、網膜に穴が空いている状態のことを言います。網膜に生じた穴のまわりをレーザーで焼き固めることで、失明の恐れのある網膜剥離への進展を防ぐことができます。

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